~2024モデル紹介その①:HOYTグランプリ GMX3

投稿:2023年8月23日

2024年、伝説のリカーブハンドル【GMX】が進化して【GMXシリーズ3】として帰ってきます!と言っても先ごろ行われた世界選手権でドイツ選手が使用して団体ゴールドメダルを獲得したり、HOYTのトップアーチャーのSNSにアップされるなど、発表前から既に話題になっていましたね。

HOYT史上最も人気が高かったグランプリ方式(IFL方式)のリカーブハンドル【GMX】は、発売当時韓国のトップ選手が【GMX】にWIN&WINのリムを載せて使用するくらいで、世界中の競技者に支持されていました。【GMX3】【フォーミュラXD】で成功を収めた新しいグリップポジションを取り入てHOYTの創業者アール・ホイット氏が1990年代にデザインした【ゴールドメダリスト】以来(HOYTだけでなく他のメーカーの競技用リカーブハンドルでも)継承されてきたグリップの位置を【フォーミュラXD】と同じように低い位置に設定し、矢が弓の上下の中心に近い位置を通過する設計になっています。XDタイプのグリップポジションを採用することで、人気の高かった【GMX】の射ち感とレスポンスを活かしながら、リカーブリムの素材や製造技術の進歩により格段に速くなったアロースピードやバックリング現象*に対応した、全く新しい、最も進化したグランプリ方式のプラットフォームとなっています。

GMX3の特徴
XDで成功を収めたグリップポジションの採用
■XD同様の低めのグリップポジションにより「バックリング現象」を抑制
■ピボットポイントに自然に力が集中する最適化されたグリップポジション

ステンレス製プロシリーズティラーボルト
■高強度ステンレス鋼を精密加工
■レーザー刻印でティラーボルトの調整量が見やすく、チューニングの再現性が向上

プロシリーズダブテイルブロック
■ストリングを張ったままリムとハンドルのアラインメント調整可能
■リムとの接点に高精度合金パーツ使用
■ストリングテンションテクノロジー搭載

360°ダンパー標準装備
■リムポケット内にリリース時の振動を効果的に抑制するダンパー内蔵
■ダンパーを取り外し【パーフェクトバランスウエイトシステム】を取り付け可能
■下側のリムポケットに1オンスウエイトを足すとエクシードと同じバランス。

バータチューンクリッカープレート
■レストのポジションを上下に3段階調整可能なクリッカーエクステンション一体型レストプレート

ベアボウ用アクセサリーも充実
■ベアボウアーチャーに人気のエクストラロングハンドル(H27)もラインナップ
■新しい偏芯&重量調節可能なベアボウ用ウエイトが登場
■ベアボウ用バータチューンプレートが新登場
■ベアボウアーチャーに人気のローグリップも新登場

セラコートアドバンスFXカラー
■アドバンスFX処理により従来のセラコート仕上げより深みのある色合いのカラーラインナップに一新
■ブラックインク、コスモブルー、インフラレッド、スレート、ソーラーオレンジ、スターダストパープル

ハンドルの仕上げは2023年モデルに引き続き【セラコート】という特殊な塗装で、ごく薄い皮膜で耐油性、スクラッチ耐性に優れたものです。2024年モデルでは【セラコート】【アドバンスFX】という加工を施すことにより、従来の【セラコート】よりも深みのある色合いの魅力的なラインナップとなっています。

ちなみにオリンピック パリ大会のテストイベントも兼ねたワールドカップ第4節パリ大会で優勝したキム・ウージン選手も使用しているグランプリ【エクシード】は2024年も継続されますが、カラーは2023モデルと同じセラコートカラーとなります。

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*バックリング現象とは?
 リカーブリムは素材や製造技術の進歩により大きく進化しており、アロースピードが格段に速くなっています。このため10年くらい前のリムと現在のリムでは、同じポンドのリムを比較した場合、現在のリムはより硬いスパインの矢が必要になっていると言われています。ブレディ・エリソン選手によると10年くらい前は50ポンドのリムでX10の410番を使っていたのが、今は48ポンド前後のリムで350 番を使っているということです。2サイズ硬いスパインが必要になっているということは弓の強さで言うと8~10ポンドくらい強くなったのに相当するので、リムの進化による高速化はかなりのものと言えます。

 そしてリムの進化によって単により硬いスパインの矢が必要というだけでなく、リリースの瞬間にノックが下方向に押されてアローシャフトが上下方向にしなるバックリングと呼ばれる現象がみられるようになっているそうです。バックリング現象により、フィンガーリリースによる矢の水平方向のしなり(いわゆる矢の蛇行現象)に上下方向の矢のしなりが加わることで、プランジャーとアローシャフトがうまくコンタクトしにくくなるため、チューニングが難しくなってしまうという問題につながっているのです。

 この問題を解消するため、フォーミュラXDハンドルでハンドルデザインの大幅な見直しが行われました。グリップの位置を下げて、矢が弓の中心近くを通る設計になっています。このグリップポジションはグランプリタイプの【GMX3】にも採用されています。グリップのピボットポイントとプランジャーホール、サイト取付用のネジ穴の位置関係は従来モデルと変わっていません。

 従来のハンドルデザインでは弓の中心より高い側を矢が通過しており、リリース時にノックが下方向に押される力が働きやすかったため、バックリング現象の要因となっていました。フォーミュラXDハンドルとグランプリ【GMX3】ではグリップ位置を下げて矢が通過する位置を弓の中心に近づけたため、リリース時にストリングがノック押し出す際にかかる力が上下にずれにくくなり、ノックをまっすぐ押し出すことが可能になっています。グリップ位置を下げたことによるもう一つのメリットは、ハンドルのグリップから上の部分が長いことにより、ドローイング時にグリップのピボットポイントに力が集中しやすくなり、自然に押手を的方向に伸ばして弓をしっかり支えられるという点です。実際に試射したアーチャーのほとんどがドローイング時のサイトピンの動きが小さくなったと感じています。

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