~HOYT コンパウンドボウの新型XTS™チューニングシステム:レンチ1本で「4方向」を微調整できる
投稿:2026年2月15日HOYTのコンパウンドボウ2026年モデル、Carbon RX-10シリーズとAlpha AX-3シリーズは日本のマーケットにはあまり関係ないハンティングモデルですが、【XTS™】(Xact Tuning System™)というまったくあたらしいチューニングシステムを搭載しているので、その機能について紹介します。

最近各メーカーがこぞって競っているのが、カムポジションのチューニング機能です。グリップにかかるトルクは人それぞれなので、その人に合わせて弓を調整する必要があります。ここでいうチューニングとは【ペーパーチューニング】のことで、至近距離でペーパーを射ち抜き紙の裂け方を見て、矢がまっすぐに紙を通過するようにカムの左右のポジションを調整するというものです。

マシューズの無段階でリムを左右に動かしてチューニングする【リム シフトテクノロジー】、カムをリムから外すことなく、スペーサーの交換で簡単にカムポジションを微調整することが可能なPSEの【EZ.220スナップスペーサーシステム】、ELITEのリムポケットを動かす【S.E.T.テクノロジー】など、各メーカーがそれぞれ工夫しています。HOYTの2026年プレミアム・ハンティングボウ Carbon RX-10 と Alpha AX-3 に搭載されている新機構 【XTS™】 は、ペーパーチューニングの手間を省く画期定な調整機構です。ボウプレス不要で、素早く・簡単に・高精度な調整が可能なのはもちろん、さらに多くのチューニングシステムが対応できない 上下の矢飛び まで補正できる点が大きな特徴です。調整後に的中位置が変わりにくい設計も含め、これまで以上に迷走しないチューニングを目指したシステムと言えます。
XTSチューニングシステムのアドバンテージ
一般的なチューニングは主にペーパーチューニングの 左右の裂け方 を、レスト位置調整やスペーサー(シム)で調整することが中心です。一方【XTS】は、リムポケット内の調整ボルトで各リムにかかる抵抗(強さ)を変え、矢が離れる瞬間の挙動を微調整できます。その結果、以下をカバーします。
- テールライト/テールレフト(左右の裂け)
- テールハイ/テールロー(上下のティア:小さいティア向け)
つまりXTSは、左右だけでなく上下も含めた“2次元”の微調整を、レンチ1本で完結させることを狙った仕組みです。XTSは、リムポケット前面の調整穴からアクセスできるチューニングボルトを回すことで、特定のリムの抵抗を増減させます。これによりパワーストローク中の挙動が変わり、ユーザーのトルクのかけ方に合わせたバランスに調整できるのです。ポイントは “バランス” です。
片側に抵抗を足したら、反対側は同量だけ抵抗を抜くなど、左右(または上下)のバランスを取ることで、ドローウェイト変化を抑えながら調整できます。

XTSペーパーチューニング:実際の流れ
1)まずは「マクロ」セットアップ
アローレストは目分量で弓の中心に合わせます。HOYT推奨のスタートは センターショット13/16インチ(許容範囲 3/4〜7/8インチ)です。そのうえで、XTSに入る前に以下を確認します。
- ノッキングポイント
- カムタイミング
- ベインクリアランス(クリアランス不良がないか)
- その他、基本的なセットアップ要素
2)紙を通して撃つ
安全な場所(射場の近射スペースなど)で、至近距離からペーパーを射ち抜き、裂け方を確認します。
3)「(ノック側が)右に裂ける」なら右側ボルトで補正
右に裂ける場合:
- 調整前に、リムポケットの シャトルブロック固定ネジ を少し緩めるます。
- 右側(上リムの右側/下リムの右側)のボルトを 時計回りにしめて、リムの抵抗を強めます。
- まずは 1/2回転 など小さく調整して再度射ちます。
そしてバランスを取るために、
- 左側(上リムの左側/下リムの右側)は同量だけ 反時計回りにまわしてリムの抵抗を弱めます。
裂けめが大きいほど調整ボルトを回す量を増やします。HOYTは、工場出荷位置から 最大約3回転 まで調整可能としています。
4)「(ノック側が)左に裂ける」場合は左右を反転して調整
- 左側を時計回りで抵抗を強めます
- 右側を反時計回りで抵抗を弱くします
5)上下に裂ける場合(小さいもの)はXTSでも補正可能
カムタイミングとノッキングハイトを確認した上で:
- (ノック側が)上に裂ける:上リム側のボルトをゆるめて、リムの抵抗を弱めます。+下リム側のボルトを締めて、リムの抵抗を強めます。
- (ノック側が)下に裂ける:その逆(上を強めて、下を弱めます)
上下に大きくさける場合は、上下のカムのタイミングが合っていない、ノッキングハイトが合っていない、クリアランスなどの問題が関わっている可能性があるので、それたをまず確認する必要があります。XTSは仕上げの微調整として使うのが推奨です。
6)最後に固定ネジを締め戻す
ペーパーチューニングが完了したら、緩めていた シャトルブロック固定ネジ を締め直して完了です。

迷わないための“コツ”と原則
- XTSの調整範囲は「1インチ未満」
左右に1インチ以上裂ける場合は、カムのシムを入れ替えて1インチ以下におさめてから調整。 - 左右の調整は反対側も同量だけ逆方向に
例:上リムの右側を1/2回転時計回りにしたら、上リムの左側は1/2回転反時計回り。 - 上下ティアも同様に上下でバランスを取る
上に足したら、下から抜く(または逆)でドローウェイト変化を抑える。 - 左右ティア → 上下ティアの順に直す
左右を直したら上下が消えるケースが多い。 - 迷子になったら、全ボルトをセンターライン(初期設定)に戻してやり直す。
将来的にターゲットモデルにも搭載されるのかどうかわかりませんが、シンプルで簡単にチューニングできそうなので採用してほしいものです。渋谷アーチェリー世田谷店では、ペーパーチューニングなどコンパウンドのチューニングも対応*しているので、お気軽にご相談ください。
*3階の店舗改装に伴い3月4日までは1階の仮店舗での営業となっており、近射スペースがないため、実射を伴うチューニング、レッスンは3月4日の新装開店以降の対応となります。
