~イーストンのアルミニウム/カーボンアローが選ばれるのには理由があります!
投稿:2025年12月7日イーストンのアルミニウム/カーボンアローが初めて登場したのは1984年のロサンゼルスオリンピック。アメリカのダレル・ペイス選手がイーストンA/Cアローを使用し、2位に大差をつけて(当時は288射の合計得点で順位が決まっていました)ゴールドメダルを獲得しました。

以来、イーストンのアルミニウム/カーボンアローは全てのオリンピックでゴールドメダルを獲得しています。1988年、1992年はイーストンが初めて開発したダブルテーパーデザイン(樽型)のアルミニウム/カーボンアロー【A/C/E】が、そして1996年にマイクロダイアメーターのダブルテーパーシャフト【X10】が登場すると、2024年のパリ大会までゴールドメダルを独占し続けています。

2028年のロサンゼルス大会からコンパウンドボウがオリンピック種目に加わることを見据えて、イーストンからマイクロダイアメーターの新しいアルミニウム/カーボンアロー【X10 3.2MMパラレルプロ】がリリースされました。コンパウンドボウの50mラウンドで最高のパフォーマンスを目指して開発されたパラレルタイプのシャフトです。これからは、コンパウンドボウでもメダル独占が期待されますが、世界中のトップアーチャーから絶大な支持を受けるイーストンのアルミニウム/カーボンシャフトの、その秘密とはいったい何なのでしょうか?


■アルミニウム/カーボンのハイブリッド構造
イーストンのアルミニウム/カーボンシャフトは熱処理した7075アルミニウム合金のパイプに高弾性カーボン繊維を巻き付けた構造になっています。イーストン独自のハイブリッド構造のおかげで、ノック、ピンインサート、ポイントなどのインサートパーツの取り付け精度が高く、均一な矢の作製が容易です。アルミという素材の特性で、素材自体の均一性と加工精度の高さによるものです。カーボンという素材の加工精度はアルミに比べると劣るので、オールカーボンのシャフトではアルミニウムコアほどの精度を出すことは難しいのです。
精度で特に問題となるのは、ノックとシャフトの取り付け精度です。リムに蓄えられたエネルギーはストリングからノックを介して矢に伝えられるので、ノックがシャフトにまっすぐ取り付けられているかどうかが、矢のパフォーマンスを大きく左右するのです。

■ウエイトコードによるシャフト重量管理
イーストンの競技用アルミニウムカーボンシャフトは、カーボンという材質の持つ特性から生じる重量誤差に配慮し、出来上がったシャフト重量を計測し7つのウエイトカテゴリーに分類し、 1ダースのパッケージ内のシャフトの重量誤差が+-0.5グレイン(0.032グラム)に収まるよう管理しています。Cコードが異なるセットは、確かに重量が異なりますが、その違いはわずかなものなので、実はCコードが違うシャフトを混ぜて射っても、隣り合ったコード(例えばC2とC3、C6とC7のように1番違いの場合)なら問題はないというのが定説です。

ウエイトコードについてもっと詳しく知りたい方は、過去のブログ【Cコードの謎 Part 1】、【Cコードの謎 Part 2】をご覧ください。
■360°均一なスパイン
1ダースの矢を買った時に、1本1本のシャフトのスパインが均一であることはもちろんですが、全周方向のスパインの均一性は、フィンガーリリースのリカーブアーチャーにとって非常に重要です。フィンガーリリースではリリース時にストリングが取りかけた指を滑って出ていくため、シャフトは蛇行しながら弓を通過します。シャフトの向きによってスパインが異なる部分があると、矢によってリリース時の矢のしなり方が変わり、的中位置も変わってしまいます。アーチャーがどんなに再現性の高い射をしても、このような矢のセットでは、グルーピングは広がってしまいます。イーストンではシャフトの全周方向のスパイン(しなり具合)が均一であることも保証しています。

■シャフトのまっすぐさは5か所でチェック
イーストンの競技用カーボンシャフトは全長方向の5か所でブレをチェックして、まっすぐさを管理しています。リリースした時、ストリングはノックを介して矢を押し出すので、ノックエンドの部分の精度は的中に致命的な影響を及ぼします。イーストンのカーボンシャフトは、ノックエンドの部分のまっすぐさも厳密に管理されているので安心ですね。

渋谷アーチェリー世田谷店では、矢の種類がわからない、スパインが決まっていない、矢の長さがわからないという方でも、ご使用の弓一式をお持ちいただければ計測して、相談に乗りながら適正なアローをお選びします。完成矢のご相談は、事前のご予約をお勧めします。

