~クリス・シャフ選手がアウトドア競技で【イーストン X10】を使う理由。

投稿:2023年6月3日

世界最大級のインドアトーナメント【ベガスシュート】のチャンピオンで、今シーズンはアウトドアターゲットでも活躍中のクリス・シャフ選手。彼がアウトドア競技用に選んだのはイーストンのアルミニウム/カーボンアロー【X10】です。

クリス・シャフ選手が【X10】を選ぶ理由とは…

【X10】は小口径というだけでなく、一般的なカーボンアローに比べると重く作られているので、風の影響を受けにくくなります。

クリス・シャフ選手のアウトドア用のアローは【X10】の350番で、シャフトの後ろ(ノック側)から3インチカットしています。樽型のX10シャフトのノック側をカットすることによって、シャフトの後端の硬さが増し、コンパウンド専用の【プロツアー】シャフトのようなテーパー形状に近づけることができます。
 訳注)なぜコンパウンド専用に開発された【プロツアー】ではなく、リカーブ用の【X10】を使用するのか、という点については解説が必要かと思います。2007年に【プロツアー】が発売される以前は、【X10】やA/C/Eのノック側をカットして使用するのがコンパウンド アーチャーの間で一般的でした。【X10】はリカーブでフィンガーリリースした時に最適な矢のしなりを生み出すようにノックエンド側を細くすることによって軟らかく作られています。適度なしなりによって、レストをクリアしやすくなり、リリースの微妙な誤差の影響を受けにくくなるという効果があるのですが、コンパウンドではリリーサーを使用するのでリリースにミスが出ることはなく、ストリングの蛇行も生じないのでノック側が軟らかい構造は特にメリットはないのです。というわけで【X10】のような樽型形状のシャフトのノック側を大きく切り落とすことでテーパー型に近いシャフトにして使うというのが流行していたのです。
 そしてレオ・ワイルド選手など【プロツアー】発売後も【X10】を使い続ける選手もいました。レオ・ワイルド選手になぜプロツアーに変えないのか聞いたことがあるのですが、今使っている【X10】が非常に調子良いので変えたくないということでした。確かにプロツアーが出た前年のワールドカップファイナルで120点満点(当時は70m12射マッチ)を射って優勝していましたし、その後コンパウンドのマッチ戦が50mラウンドに変わってからも150点満点(12X)の世界記録も射っており、変える気になれないのは理解できます。
 もう一つの理由は【プロツアー】にはスパインが硬いものが340番までしかないという点です。【X10】の350番のノックエンドをカットすることによって、300番に近いスパインの矢を手に入れることができるのです。今年のワールドカップ アンタルヤ大会で団体優勝したデンマークのマサイアス・フラートン選手は引き尺は30インチ以上あるのに、スパインを合わせるために【プロツアー】を27インチちょっとまでカットして使用しているという例もあります。

●ポイントは120グレインのタングステンポイントを使用。これはFOC(矢の重心がどれくらい矢の先端側に寄っているか)を改善し、アウトドア競技で風の影響を最小限に抑えるためです。

●均一なスパイン:1本1本のシャフトのスパインが均一であることはもちろん、シャフトの周囲360°どの方向に対しても、非常に高い均一性を誇ります。

【X10】は風の中やダウンレンジでのパフォーマンスが高く、最高のグルーピングを可能にしてくれるから。
 ダウンレンジというのは、矢が飛ぶ時に描く放物線の最後の部分です。矢の推進エネルギーが失われて落下していくフェーズで、風の影響を受けやすくなっています。弾道学的には断面密度が大きい物体の方が、ダウンレンジでのエネルギーの残存性が高く、すなわち失速しにくく風などの外的要因の影響を受けにくくなると言われています。【X10】は最小の口径と適度な質量を組み合わせることによって、ダウンレンジでの高いパフォーマンスを実現しています。

クリス・シャフ選手は動画の最後をこう締めくくっています。

「試合に勝ちたいなら、矢はイーストン。」

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