~トリガーを押さないでリリーサーを切る Part 2

投稿:2023年1月22日

先日、リラックスしてトリガーを切るテクニックについて紹介しましたが、他にもトリガーを押さないでトリガーを切るテクニックがあります。このテクニックも「薬指から絞る」とか「こぶしを握る」というような指を動かしトリガーを切りに行くテクニックではなく、ドローイングを続けることによって自然にトリガーが切れるテクニックです。トリガーを意識しないでリリースすることに重点を置いたテクニックなので、ターゲットパニックの方のリハビリにもおすすめの方法です。

親指と人さし指でリングを作る射ち方

今回紹介するテクニックのポイントは、「親指と人さし指でリングを作る」というところにあります。この形が作れたら、このテクニックを90%マスターしたようなものです。ドローイングしてカムが回り切って止まった時にリリーサーを持ち変えて、親指がトリガーを超えて人さし指の先端に触れるようにしてリングを作ります。もう一つのポイントはトリガーのテンションを強めに、トリガートラベルをほぼゼロに設定することです。

リングを作った状態

親指と人差し指でリングを作った状態でドローイングを続ければ、自然にトリガーが切れます。親指で人さし指に触れることで、トリガーから意識を逸らすことができ、トリガーを押したいという衝動を抑えやすくなります。

コンパウンドボウのレジェンド、デイブ・カズンズ選手直伝のテクニックです

リリーサーを握っていると親指が人さし指に届かないのでは?と思う方もいるかもしれません。確かにドローイングする時にはリリーサーを握るように力が入るものなので、トリガーの位置が親指から遠ざかるような力の入り方になります。特に薬指や小指に力が入りすぎると、トリガーが親指からより遠くに離れるようにハンドルの角度が変わり、親指の先がトリガーに触れるのがやっとぐらいになってしまいます。そこで、親指を人さし指につけようとする前にリリーサーを持ち変えるというステップを入れると、トリガーを押すことなく親指が人さし指に無理なく届きます。

持ち変えると人さし指が深く薬指側が浅くなる

トリガーのテンションは強め、トラベルはゼロ
このテクニックでは、リリーサーのトリガーのテンションは強めに設定し、親指がトリガーに触れても簡単には作動しないような強さにしてください。親指とひとさし指でリングを作る際に、親指が軽くトリガーに触れても作動しないよう、ひもにかけて引いたり近射したりして調整してください。トリガーのトラベル(切れるまでにトリガーが動く角度)はゼロに近づけておくと良いでしょう。テンションを軽くしてトラベルを大きくすることで、親指が軽く触れても作動しないように設定することはできますが、トラベルが大きいとリングを作ってドローイングを続けているうちに、トリガーが動く感覚が伝わってトリガーを意識してしまったり、トリガーが切れるタイミングを予想してしまったりしてストレスが大きくなる可能性があるのでお勧めしません。

リリーサーの持ち変え方
カムが回り切ってストリングをアンカーに持ってくるタイミングで、リリーサーを持っている手の人さし指以外の指をリラックスさせて、人差し指にほとんどの力がかかるようにするとリリーサーが人さし指を中心に回転して、トリガーが親指の方に寄ってきます。

持ち変えの動作

この状態で親指を人さし指の先にあてると、トリガーに圧力をかけることなく輪が作れます。練習方法としては前回のリラックスするテクニックと同じで、いきなり弓を射つのではなくひもやフィンガースリングなどにリリーサーをかけて、目の前でリリーサーの持ち方や親指のかけ方を目で確認しながら練習することをお勧めします。慣れてきたら、やはりひもを使って実際に弓を引くときのフォームでリリーサーの持ち変え方と親指のかけ方、ドローイングを続けることで切る練習をします。テレビで映画を見たり本を読んだりしながら視界の外でトリガーを切る練習を行うと、テクニックを潜在意識下に定着させやすくなります。

リリーサーを持ち変えるタイミング

新しいテクニックにじゅうぶんになれたら、実際に弓を使って近射で試してみましょう。実際に弓を使って、ひもを使ってリリースする時のように自然にトリガーが切れるようになったら、的に向かって練習します。段階を踏むことによって、確実に新しいテクニックをマスターすることができます。

リリーサーを持ち変える動作は、カムが止まってからアンカーにつける流れの中で行うのが理想です。アンカーについてからリリーサーを持ち変えようとすると、引き手の肘が戻される可能性があり、フォームが崩れる要因になります。

当てたいと思うところを見ながらドローイングし続ける
このテクニックを使う場合に重要なのが、サイトの動きをコントロールしようとしない(サイトを止めようとしない)ことです。一定の範囲内でドットを遊ばせて、自分のリズムで伸び合ってリリースするようにします。練習を重ねるうちに、ドットの動きと伸び合いのリズムがシンクロして、ドットが真ん中に来るタイミングでリリースできるようになります。

リリーサーを切るテクニックは他にもいろいろあります。ターゲットパニックを治したい方、リリーサーの使い方でお困りの方には、一人一人の悩みに合わせて個別指導のCPLのパーソナルサービスがございますので、一度お試しください。