~HOYT AXIAリムについて語ろう

投稿:2022年9月11日

今回はHOYT【AXIAリム】についてのお話です。トークしているメンバーは【フォーミュラXDハンドル】の回と同じく、HOYTのリカーブ製品の開発責任者のダグラス・デントン氏、トップアーチャーのブレディ・エリソン選手、HOYTターゲット製品マーケティングディレクターのスティーブ・アンダーソン氏の3名です。

DURABILTY と CONSISTENCY
【AXIAリム】について語る時にまず取り上げられていたのが、新開発の「樹脂注入ウッドコア」を採用したことによる耐久性一定性の向上です。トップアーチャーのブレディ・エリソン選手も耐久性と一定性というキーワードにとても関心を寄せている様子でした。

HOYTでは新製品の開発段階で必ず「空射ちテスト(ストリングを30インチ引いて放す)」「ドローサイクルテスト(ストリングを30インチ引いて放さないで戻す)」を行い耐久性(ねじれたり折れたりしないか)とポンド数の変化をチェックしています。【AXIAリム】はドローサイクルテスト100万回に耐え、HOYT史上最も耐久性と再現性の高いリムと、ダグラス・デントン氏が自信を持って語っています。ダグラス・デントン氏の言う「HOYT史上最も耐久性と一定性に優れたリム」というのは、単にヴェロスとかXツアーなど市場に出ているリムだけの話ではなく、試作品も含めてベストということです。HOYTではエンジニア達が常に新しいアイデアを出し、試作、テストを繰り返していて、その中の95%は私たちの目に触れることはないそうです。製品として世に出るのは、たくさんの試作モデルの中でHOYTの社内基準を満たしたほんの一部に過ぎないのです。

AXIAリムについて熱く語るブレディ・エリソン選手

一定性というのはラボの中での百万回のドローサイクルテストの後でもポンド数がほとんど変化しないし、暑い日の実射テストでもポンド数の変化は1/4ポンドもなかったとのことです。暑い日の実射テストはソルトレイクにあるイーストンアーチェリーセンターのアウトドアレンジで行われたのですが、地表の温度が摂氏60度を超える暑さだったそうです。実際に【AXIAリム】をテストしたブレディ・エリソン選手が、アーチャーにとって耐久性と一定性がいかに重要かということを熱く語っています。

OPTIMAL TORSIONAL STABILITY
今回ダグラス・デントン氏が特に熱く語っていたのが「OPTIMAL TORSIONAL STABILITY=ねじれ剛性の最適化」です。リムを左右にねじった時に硬くてねじれにくい方が良いとされていますが、ただ単に硬いだけでなく、適度なねじれというか柔軟性がある方がリリースのミスを拾いにくいというのがダグラス・デントン氏の考え方です。【AXIAリム】はリムののねじれ剛性をと調整して、リリースの小さなミスでストリングの返りが乱れてもストリンググルーブにまっすぐにストリングを引っ張って行ってくれるだけの柔軟性を残している設計になっているということです。

ブラック&ホワイトのカラーリングにも理由がある
【AXIAリム】のバック側(構えた時に的に向く側)はハンドル寄りの部分がホワイトで先端側がブラック(カーボンの地の色)になっています。グラフィック的に美しいだけでなく、パフォーマンスを考慮したデザインなのです。実射テストの際に真っ白に塗装したリムと全体が黒のリムを用意して、リムの温度、ティラーバランス、ストリングハイトの変化を測定した時に、白いリムはそれ以上温度が上がらない安定領域に達するのに1時間以上かかって緩やかに温度が変化していったのに対し黒いリムは20分程度で温度が上がり切って変化しなくなるということが分かったそうです。

一見白いリムの方が温度変化に強いイメージですが、実際の試合で試射を数エンド射ってスコアリングが始まるという時間の流れを考えると、試合が始まった時に温度が上がり切って安定しているのは黒いリムの方だと言えます。温度が緩やかに上昇する白いリムは、スコアリング開始後も変化し続けている可能性があるということです。【AXIAリム】の半分白、半分黒のリムは全体が黒いリムと温度変化の仕方はあまり変わらず、22~23分で温度が安定するという結果でした。ということで製品版にはブラック&ホワイトのグラフィックが採用されたのです。

今回の【AXIAリム】の動画の中で、個人的に一番印象的だったのは開発者のダグラス・デントン氏のコメントで、「私自身は中級者レベルのリカーブアーチャーだけれど、良い製品を使うことでグルーピングが良くなったのを実感する時、こういうことがあるからアーチェリーを続けているんだ」というもの。ブレディ・エリソン選手には及ばないかもしれないですが、良いグルーピングが射てた時の喜びって、いつまでたっても変わらないものですよね。

話題の【AXIAリム】のご予約・お問い合わせはお問い合わせは渋谷アーチェリー世田谷店ONLINE店へ!または全国のSHIBUYA製品取り扱いアーチェリープロショップでも予約受付中です!
渋谷アーチェリー世田谷店では【AXIAリム】の試射もできます。ご来店お待ちしています!