~【連載】この道具を使う理由~矢(シャフト)編~

みなさん こんにちは

渋谷アーチェリーONLINEの山本です。

新しく【連載】といった形で、私山本がこだわって使用している道具についてを何度かに分けて紹介していきたいと思います。主にコンパウンドの道具になると思いますが、リカーブの商品についてもご紹介出来ればと考えています。今後道具を変えようか悩んでいるタイミングで少しでもみなさんの参考になればと思いますので、是非チェックしてみてくださいね。

そんな第1回の道具は、【アローシャフト(アウトドア)】です。
私は現在コンパウンドで【EASTON X10 プロツアー】の420に、ノックは【Gピンノック】で、ポイントは【EASTON タングステンポイント】を120グレインでセットし、ベインは【AAE MAXベイン】でを使用しています。

【EASTON X10 プロツアーシャフト】を選んだ理由ですが、実は今までにX10やCX Nano Proなどいくつかのシャフトを試してみた事があります。実際に、2013年世界選手権inトルコの国内最終選考会ではX10シャフトを使用していました。 どのシャフトもチューニングさえすればしっかりとしたグルーピングは作ることは出来ます。実績のあるシャフトですので、当たり前ではあるんですが・・・。

その中でX10 プロツアーを選んだ理由としては、製作時の容易さと風に流れない事、また耐久性が高い点あげられます。通常タイプのX10を作成する時、私はノック側から数インチカットしますが、一回完成矢を作るのに2度カットするのは、めんどくさいですね・・・。というのは半分冗談で、ノック側からカットすると、チャート通りのスパインにはなりません。樽型構造のシャフトは基本的にポイント側からカットすることを想定していますので、ノック側からカットした場合、スパインに極端な変化がでます。矢飛びや的中は全く問題なかったですし、【当たれば良い】世界ではあるのですが、私個人的には本当に合っているのか判断する材料は多い方が良いと考えていますので、チャート通りにならないのは避けたかったわけです。

そして、CX Nano Proですが、精度や耐久性を売りにしている事もあり、的中は良かったです。しかし、ポイントやピンを入れるときに渋いシャフトが有ったり、最初からシャフトに印刷されているベイン貼りつけラインが1ダース内でずれていたりと、これも【当たれば良い】世界なので、気にする必要は無いのでしょうが、個人的に気になってしまい、候補から外れました。

他にも外径が大きなモデルもありますが、風に流れる幅が大きいことは、個人的にはグルーピング以前の問題です。チューニングや射型は自分自身でコントロール出来る部分ですが、風が吹くかどうかはコントロールできないですからね。コントロールできない部分に対して極力影響を受けないようにすることは、安定して点数を作る上では必要な事であると思います。実際に、中口径シャフトとして、過去にワールドカップでメダルを獲得した【ゴールドチップ ウルトラライトシャフト】を使用していたトップ選手は、ほとんどが新製品である、細いシャフト【ゴールドチップ Pierce(ピアース)シャフト】へシフトしていましたね。※【ゴールドチップ Pierce(ピアース)シャフト】はサンプルが入荷していますので、今度テスト予定です。

その点、【X10プロツアーシャフト】はポイント側だけカットすれば良いのと、精度の高いアルミコアがある為、ノックやポイントの装着時に渋い事もありません。また、風に対する強さと矢同士がぶつかった時の耐久性はシャフトの中でもトップクラスだと感じています。今までに私が出場した国際大会は風が非常に強い試合でしたので、極力風に影響を受けない矢が良いと考えています。現地で矢を変更するなんて事は私は出来ないので・・・。こだわりを持つ事で、ひとつひとつ不安を無くしていくことが可能となり、その結果小さな安心感が生まれます。その小さな安心感の積み重ねで、プレッシャーのかかる試合の状況でも思い切って射つ事が出来ていると感じます。

下の動画は、昨年開催された2015年世界選手権inコペンハーゲンでの会場の様子です。音がすごいので、風が強いのが分かって頂けると思います。※音量には気を付けてください。

いろいろ書きましたが、そこまで気にしても、実際は射つ側(人間)の精度の方が悪いとは思います。しかし、アーチェリーは、1点で勝ち負けが分かれる競技です。試合に挑む時は100%の準備をして挑みたいものです。あれをしておけばこれをやっておけば等、試合が終わった後に、道具の面で後悔はしたくないですからね。

道具において何に価値を見出すかは人それぞれだと思いますが、自分自身にとって信頼できる道具を選択することが、アーチェリーで結果を出す為には大切な事だと感じます。技術に合ったもの、精度が高いもの等、人それぞれ信頼を作っていく為の考え方は異なると思います。ご紹介したいくつかのシャフトも実績が出ている以上精度の高い製品であることは間違いないです。たくさんのトップ選手が国際大会で素晴らしい成績を収めていますので、当たらない事はありません。メリット・デメリットを理解し、選択することが大切であるとお考えください。今回の記事は、あくまでも私山本個人の考えとして受け取って頂き、その中で少しでもご参考にして頂ければ幸いです。

長くなりましたが、今回はこれで以上となります。
次回は、【リリーサー】についてご紹介したいと思います。
お楽しみに~