~デントン アーチェリー始動!

投稿:2026年10月29日

世界のトップシーンを知り尽くしたエンジニア、ダグラス・デントン氏が生み出す新たなリカーブボウブランド、【デントン アーチェリー】から、競技用リカーブハンドルとリムがリリースされます!既存のメーカーの枠組みを離れたデントン氏が理想のデザインとクオリティを追い求めたモデルとなっています。


ダグラス・デントンって誰?

競技用リカーブに詳しい方であれば、ダグラス・デントンという名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。デントン氏は長年HOYTで首席リカーブボウ エンジニア、そしてリカーブボウ部門のブランドマネージャーとして製品開発に深く関わってきた人物です。

17年に及ぶHOYT時代には、伝説的なリカーブハンドル【GMX】、新しいリム接合方式を搭載した【フォーミュラシリーズ】、パリ大会でメダルを独占した【エクシード】、バンブーコアのリムなど、数々の国際大会でのメダル獲得し、世界記録更新に貢献したモデルの開発をリードしてきました。

過去4回のオリンピックでメダルを獲得した選手の56%が、デントン氏が設計したモデルを使用していたと言われています。オリンピックという究極のステージで使用される弓を長年設計してきた経験が、デントン アーチェリーの大きなバックボーンになっているのです。


フォーミュラ システムを生み出したエンジニア

デントン氏の設計思想を理解するうえで興味深い例が、HOYT時代に開発されたフォーミュラ方式と呼ばれるELS(エクステンデッド リムポケットシステム)です。従来のHOYTのいわゆるILF(国際標準規格)とは異なり、リムとハンドルの接点をより離れた位置に配置することで、応力を分散し、接続部の耐久性と精度を高めるという考え方が採用されました。ELSは、リムとハンドルが接するポイントの距離を広げることでハンドルにかかるストレスを約40%低減し、リムの横方向の安定性を向上させることを可能にしました。


DENTON ONE ハンドル

デントン氏が考える「ハンドル設計」

デントン氏は、リカーブのハンドルは単に「硬ければ良い」「重ければ安定する」というものではないと考えています。リムの動きをハンドルがどう受けとめ、そして発射時(ストリングが返っていき、矢がストリングからリリースされる時間帯)に弓全体がどう動くのかがをトータルで考えて設計することが必要ということです。

よくリカーブボウを評価する際に、「弓の飛び出しが良い」かどうかということがピックアップされますが、実は弓が的方向に動いた時には、矢はすでに弓から離れて飛んでいます。ストリングが矢を押し出している時間帯のハンドルの挙動が矢のスピードや方向に影響を与え、的中に大きく関わっているのです。

弓の飛び出しはあくまでフィーリングの問題で、矢の方向やスピードの再現性はその前の段階で決定づけられるのです。デントン氏は、HOYT時代から一貫してストリングが返っていく際に、ハンドルのどの部分がどうしなるか、全体としてどう動くのかを考慮してハンドル設計を行ってきました。

トラディショナル ジェオメトリー

【DENTON ONE】ハンドルのデザインは、トラディショナルなハンドルジェオメトリーで、グリップのピボットポイントで上下の重量バランスが保たれている設計です。トラディショナルなデザインながら、レストポジション(プランジャーホール)を高めに設定することで、グリップのプレッシャーポイントの再現性を高め、ホールディング時の安定感が向上しているとのことです。

EQUAL FLEX

【DENTON ONE】ハンドルの特徴は、上下のリムポケットが均等にしなるよう設計されています。これは、リムの接合部分のリムポケットが適度に一定方向にしなるよう設計することで、リリース時のリムの挙動をコントロールし、毎回均一な軌道を描く用リムを支えることを可能にしています。

リリース後、リムが返っていきストリングから矢が離れるまでの弓の挙動を考慮した設計となっています。

一体型リムポケットカバー

リムポケットを覆う一体型カバーは、単に見た目のためだけではなく、ハンドル両端の重量配分を適正化し、エイミング時の押し手の安定感をもたらします。また、リリース時のハンドルの挙動の安定化にも貢献しています。

アジャスタブル グリップ

グリップ内のプレートを入れ替えることで、弓のセンターラインに対してグリップをオフセットすることが可能です。出荷時はプレートがハンドル左側にセットされた標準的なグリップポジションになっていますが、プレートをハンドルの右側に入れ替えることによって、押し手のラインをより矢筋に近づけたグリップポジションにすることが可能です。

これはアトランタオリンピック団体ゴールドメダリストのブッチ・ジョンソン氏のアイデアで、デントン氏がHOYT時代に設計したGMXハンドルに搭載されていました。

【DENTON ONE】ハンドルは、HOYTのグリップ互換設計になっています。HOYTの標準のグリップやベアボウ用ローグリップ、その他HOYT用のカスタムグリップも装着可能です。

選べるリム接合方式

リム接合方式は、HOYTが開発し今や世界標準規格となったダブテイルシステムグランプリ方式(IFL方式)と、進化した加工技術によって可能になったエクステンデッド リムポケット方式(ELS方式)の2種類がラインナップされています。

ELS方式では、リムの全長がILF方式のリムよりも長いため、全体的に緩やかにしなる傾向があります。ELSのミディアムリムとILFのロングリムが同じくらいの長さです。

ILF方式とELS方式どちらが良いか?という問いにデントン氏は、「アンカーリングからホールディング時に張り、リリースのシャープなフィーリングを求めるならIFL方式」がおすすめ。一方で「クリッカーを切る際に、スムーズさを求めるならELS方式」を推奨しています。

また、ELS方式の方がハンドルにかかる応力が分散されるため、構造的により軽量化が可能です。DENTON ONEのELSモデルは、ILFモデルよりも40グラム軽量化されています。


DENTON ONE仕様

  • 接合方式:ILF(国際標準規格)/ELS(フォーミュラ方式)
  • 素材:アルミニウム合金削り出し加工
  • サイズ:25インチ
  • 本体重量:1,310グラム/1,270グラム
  • 左右:RH/LH
  • 高剛性と軽量化を両立したアイソグリッドデザイン
  • アジャスタブル グリップ
  • レスト位置を上下に調整可能なレストプレート
  • カラー:グリーン・パープル・ブルー・レッド・オレンジ・ブラック


V SERIES 1 リム

デントン氏はリムの開発にも長年携わってきました。特にここ10~15年くらいのリムのパフォーマンスの進化は目覚ましいものがあり、デントン氏もその一端を担っていました。

近年の競技用リムは矢速が飛躍的に向上していますが、デントン氏は単にスピードが速ければ良いとは考えていません。競技用のリムにはドロー後半のスムーズさ、ねじれ方向の安定性、リリース時のリムチップの挙動など、複数の要素を高いレベルで成立させることが求められると考えています。

FORGIVING AND FAST

デントン氏の弓の設計の重要なキーワードが「FORGIVNESS」です。これは、アーチャーのミスに対して寛容であること。完璧な射でなくても当たるようデザインすることは、大きなプレッシャーがかかる試合で競技するアーチャーのために非常に重要な要素とデントン氏は考えています。

【V SERIES 1】リムは射手のミスに対する寛容性、スムーズさ、スピードを最大限に引き出すよう設計されています。その性能を左右する重要な要素が、リムチップのたわみ方です。リム先端部の形状と最適化されたカーボン積層構造により、スピードとミスに対する許容度を高いレベルで両立しています。

進化したねじれ方向の安定性

リムは硬い方がねじれ剛性が高く、取りかけの微妙な変化を拾いにくいと思いがちですが、実際はどうなのでしょうか?10年前ぐらいから、カーボン繊維の織り方を工夫することによって、リムのパワーストローク方向の硬さと左右のねじれ剛性はをそれぞれ個別に設定することが可能になっています。現在の競技用意リカーブリムは、引きが軟らかいリムがねじれ剛性が低い。というわけではありません。

また、硬ければ良いというわけでもありません。デントン氏は、アーチャーの取りかけやリリースの誤差を拾いにくい「適度な硬さ」があると考えています。【V SERIES 1】リムは独自の織り方のカーボン繊維層と単方向カーボン繊維層を組み合わせて、アーチャーのリリースの誤差を拾いにくいよう最適化された設計になっています。

バンブーコアとフォームコア

【V SERIES 1】リムの芯材は、バンブーコアとフォームコアの2種類がラインナップされています。バンブーコアは軽量で安定性が高く、非常に滑らかなドローイングとクリッカー付近のフィーリングが特徴です。リリース時の反応はソフトで、独特の発射音を持っています

フォームコアはより切れのある力強いフィーリングが特徴です。リリース時には非常にレスポンスの良い反応を示し、歯切れの良いシャープな発射音が得られます。

選べるリム接合方式

【V SERIES 1】リムは、IFL方式とELS方式の2種類接合方式がラインナップされています。IFLはHOYTのグランプリ方式を採用している多くのメーカーのハンドルに対応しています。ELS方式は他社のELS方式のハンドルにも互換性があります。


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