~HOYTの新たなゴールドスタンダード「コンセプトXTS」登場!
投稿:2026年8月21日突然ですが、いつもより早いタイミングでHOYTからターゲットコンパウンドの2027年モデル、【コンセプトXTS】が発表されました!
今シーズン、ワールドカップなどターゲットの国際大会の表彰台を席巻してきたCONCEPT X。その完成度の高い基本設計を受け継ぎながら、さらにチューニング性能、ドローサイクル、スピード、振動特性を進化させたのが今回の【コンセプトXTS】です。

「コンセプト」はそのままで、さらに進化したモデル
【コンセプトXTS】は、発売以来、圧倒的な勝利数を誇るコンセプトXシリーズの基本設計を大きく変更されていません。
ハンドルとリムの形状、ブレースハイト、グリップ位置など、コンセプトXが持っていた基本ジオメトリーはそのまま、【コンセプトXTS】に受け継がれています。
【コンセプトXTS】は、すでに高い完成度を持っていたコンセプトXをベースに、さらに細部を突き詰めたモデルといえるでしょう。
その進化を象徴するポイントは、新しいXTSチューニングシステムとSCTR 2.0カムです。
最大の進化「XTS リムポケット」
【コンセプトXTS】の名前にもなっているXTSチューニングシステムは、リムポケット部分に組み込まれた新しいチューニングシステムです。
これまでコンパウンドボウのペーパーチューニングでは、左右方向の問題を修正するためにカムスペーサーを入れ替えたり、ヨークを調整したりする方法が一般的でした。
【コンセプトXTS】では、リムポケットに設けられた調整機構によって、4枚のリムの負荷を個別に微調整することができます。
例えば、
- ノックが右方向に裂ける → 右側のリムを強くする
- ノックが左方向に裂ける → 左側のリムを強くする
- ノックが上方向に裂ける → 上側のリムを弱くし、下側を強くする
- ノックが下方向に裂ける→ 上側のリムを強くし、下側を弱くする
というように、左右だけでなく上下方向の問題についても調整可能になっています。
しかも、この微調整にはボウプレスが必要ありません。六角レンチで簡単に調整でき、調整後ロックするとずれることはありません。
従来のチューニング機構では、矢の軌道の「左右方向」は調整のみで、「上下方向」はノッキングポイントやレスト位置など別の要素を調整する必要がありました。
XTSでは上下・左右のリムの負荷のバランスそのものを調整することで、実際にシューティングレンジで射ちながら、左右・上下=4方向のダイナミックチューニングが可能になっています。
これはターゲットコンパウンドにとって非常に興味深い機能です。

「ペーパーチューニング」だけではないXTS
XTSの優れている点は、単にペーパーチューニングを簡単にするためだけのシステムではないことです。
HOYTは、より高度な使い方として、
・ホールディングウェイトの微調整
・グルーピングチューニング
・上下/左右方向のノックトラベル
・スパインの微調整
など、より精密なファインチューニングを行うことも想定しています。
つまり、まずペーパーチューニングで基本的なセッティングを作り、そこから実射しながらXTSを少しずつ調整して、自分のシューティングに対して最もグルーピングするポイントを探していくという使い方が可能になります。
競技用コンパウンドでは、同じ弓でもグリップへのトルクのかけ方やシューティングフォームによって、アーチャーごとに最適なセッティングは変わります。
【コンセプトXTS】は、弓を単に「正しい数値」に合わせるのではなく、アーチャー本人に合わせて弓のダイナミックな動きをファインチューニングできるところが最大の魅力かもしれません。
XTSチューニングシステムは、昨年リリースされたHOYTのハンティングコンパウンドボウのフラッグシップモデル【カーボンRX-10】や【アルファAX-3】に搭載されており、極寒のアラスカから灼熱のアフリカまで、過酷なフィールドでそのタフさと再現性は実証済みです。開発段階で90ポンドの弓での空射ちテストもパスしているのです。
XTSチューニングシステムは、あくまでファインチューニングのためのものです。ペーパーチューニングで紙の左右の裂け目が3㎝以上になる場合は、コンセプトXにも採用されているカムスペーサーシステムで、まずカムの左右のポジションの初期設定を行う必要があります。調整用のカムスペーサーは【コンセプトXTS】に同梱されています。
新しいSCTR 2.0 カムは何が変わった?
もう一つの進化は、新しいSCTR 2.0 カムです。従来のSCTR カムが持っていた、
- 高いストリングテンション
- 調整可能なウォールフィーリング
- 1/4インチアクスル
- スプリットケーブルハーネス
- 回転式インナーカムモジュールによる引き尺調整
などの基本設計は受け継ぎながら、カムのベース形状が見直されました。
SCTR2.0カムではドローフォースカーブの前半と後半をよりスムーズにし、その分エネルギーを中央部分に持たせています。
その結果、引き始め(カムが回り始めるフェーズ)の硬さが改善され、
「よりスムーズな引き味なのに、スピードが向上」
という方向へ進化しています。
さらにストリングから矢が離れる段階の軌道が最適化され、ストリングとケーブルスプリッターが干渉しにくい設計になっています。

TDMモジュールを新たに追加
SCTR 2.0カムでは、従来のSPECモジュールとCDMモジュールに加えて、新たにTDM(Target Draw Module)が追加されました。
TDMモジュールは、引き尺調整範囲が2インチあり、従来のCDMモジュールでカバーしていなかったA~Eのポジションを担当するモジュールです。
そして、TDMモジュールは、コンセプトXに搭載されている従来のSCTRカムで使用することも可能です。
アーチャーが求める引き尺やドローイングフィールに合わせて、より幅広いセッティングが可能になりました。
65~77.5%まで細かく選べるレットオフ
【コンセプトXTS】では、
65 / 67.5 / 70 / 72.5 / 75 / 77.5%
という非常に細かなレットオフ設定が可能です*。
通常のモッドフットに加え、「トゥイーター」モッドフットを使用することで、2.5%刻みの中間設定を作ることができます。
60ポンドの弓の場合、レットオフ2.5%の違いはホールディングウェイトにすると約1.5ポンド。
ターゲットコンパウンドでは、このわずかなホールディングウェイトの違いがエイミングやリリーサーの使い方に大きく影響することがあります。
さらに上下のモッドフットを入れ替えることによって、H(ハード)とXH(エクストラ-ハード)のウォールの感覚も変更できます。
単に「レットオフ何%」という数値だけではなく、ホールディング時の安定感や張りといったフィーリングを好みに合わせられる設計です。
*中間設定の「トゥイーター」モッドフットは別売りです。
ショット時の振動もさらに低減
【コンセプトXTS】では、ライザーの基本ジオメトリーはコンセプトXを継承していますが、ハンドル加工時の削り方を変更し、剛性と振動減衰性能が向上しています。
HOYTのテストによると、【コンセプトXTS】はコンセプトXに比べて、発射時の振動を10~15%低減。
余計な振動が少ないことはリリース時の弓の挙動のフィードバックがわかりやすい、サイトなどのアクセサリーへの負担やネジの緩みを抑えることにもつながります。

軸間距離とストリングアングルを再定義
【コンセプトXTS】は軸間距離34インチ、37インチ、40インチの4サイズがラインナップされています。コンセプトXから採用されているSCTRカムとXTLリムの組み合わせにより、もフルドロー時のカムのポジションの変化が少なく、ストリングの出どころがカム軸から離れている設計のため、従来のターゲットボウより同じ軸間距離で比較するとフルドロー時のストリングアングルが緩やかになります。
そのため37インチという比較的コンパクトな軸間距離でも、従来のフルサイズのターゲットボウに近い快適なストリングアングルを得ることができ、軸間が短いスピードボウのアロースピードを手に入れることが可能です。
「ミスターパーフェクト」マイク・シュルッサー選手をはじめ、それまで40インチクラスを使用していたトップアーチャーがコンセプトシリーズでは37インチへ移行するケースが見られました。
弓のサイズ(軸間距離)を選ぶ目安としては、
27インチ未満 → XTS 34
27~30インチ → XTS 37
30インチ以上 → XTS 40
32インチを超えるロングドロー → XTS 40 LD*
*コンセプトXTS40にハンティングモデル用のHBXカムを搭載したモデル。



【コンセプトXTS34】は、ショートドローの選手から「シュートスルーライザーが欲しい」という要望を受けて新たに設計されたモデルです。
従来、ドローレングスが短いアーチャーが本格的なターゲットボウを選ぶ際には、選択肢が限られていましたが、【コンセプトXTS34】の登場によって競技用ハイエンドモデルの選択肢ができました。
究極のチューナビリティを備えたXTS
弓のチューニングと聞くと、その弓をベストの状態に持っていくのがチューニングと思っていませんか?ある意味確かに「ベストの状態に持っていく」のには違いないのですが、コンパウンドボウに限らず、弓には「メーカーが決めたベストのセッティング」がある訳ではありません。それを使用するアーチャーにとって「ベストな状態」に弓を合わせるのがチューニングです。
グリップのトルクのかけ方、押し引きのバランス、引き尺、リリーサーの切り方など、アーチャーごとに傾向があり、ミスしやすいポイントも人それぞれです。
ドローレングス、レットオフ、ホールディングウェイト、ウォールの硬さ、グリップ角度、そしてXTSによるリム負荷の微調整など、いろいろな要素を個々のアーチャーに合わせて最適化することによって、その人にとってミスを拾いにくいセッティングに持っていくことが可能です。
単にペーパーチューニングで「きれいな穴をあける」だけでなく、そのアーチャーが最も自然にエイミングでき、最も再現性高くシューティングできる状態まで追い込んでいくことこそが「チューニング」です。
コンセプトXですでに高い完成度を見せたHOYTのターゲットコンパウンドに、XTSという新しいチューニングシステムを手に入れたことで、さらに一段階進化しました。
【コンセプトXTS】は、これからのターゲットコンパウンドのチューニングそのものを変えていく可能性を持った一台と言えるのではないでしょうか。
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